あなたはあがり症じゃない
今回は
「あがり症の克服方法」
についてお話していきます。
先ずは
残念なお知らせからです。
克服法と言っておきながら
申し訳ありませんが
「コレをすれば克服できます」
みたいな確実な方法はありません。
実は、メンタル的な
考え方だけでは
確実な改善は出来ないからです。
しかし
「緊張する」を理解する事が
最も近道であり
解決法に近づけるのだと思います。
それでは
順を追って説明していきます。
あなたにとって
緊張する場面とはどんな時ですか?
結婚式でのスピーチですか?
クライアントへのプレゼンですか?
期限の迫ったノルマですか?
電車で隣の女の子が熟睡してしまい
肩に寄りかかってきた時ですか?
考えただけで
「緊張」しますよね?
どれも「外的要因」という意味で
プレッシャーとなります!
つまり
緊張とは
プレッシャーによって
引き起こされるストレス反応です。
本番で100%が出せないあなたは
緊張と言うストレス反応が起きています。
さらに詳しく説明すると
プレッシャーで引き起こされる
ストレス反応は
大きく2つに分けられます。
それは
「心理反応」と「生理反応」です。
ストレスの心理反応とは
不安になる
頭の中が真っ白になる
失敗したくない
逃げ出したい
ストレスの生理反応とは
心臓がドキドキする
頭に血が上る
冷や汗
手足が震える
顔が引きつる
身に覚えあると思います。
あがり症や緊張というのは
プレッシャーに対する
「心理的かつ生理的による
ストレス反応」
によるものです。
断言します!
プレッシャーが有れば
誰でも必ず緊張はします。
「あがり症」は病名ではなく
その度合いが高い事を指します。
重要な事は
「緊張する理由」ではなく
「なぜ、緊張しすぎるのか?」
です。
「ストレスの生理反応が
過度に起きてしまっている」
これが答えです。
人によっては
この、過度な生理ストレス反応が
起きてしまい
今まで普通にできたことが
急にできなくなったり
頭の中が真っ白になってしまい
失敗してしまいます。
例えば
普段、女の子と普通に
世間話を出来ていても
急に
いつもお世話になっている
AV女優と話す機会があったとしたら
いつもと同じように
会話をすることが出来ますか?
多分
緊張しまくって
手が震えたり
心臓もドキドキ
声も裏返り
変な汗と変な液体がにじみ出て
しどろもどろになり
頭の中は
下ネタしか思い浮かばない・・・
会話を交わすどころか
体液を交わすことしか
考えられなくなる・・・
※すみません。下ネタが過ぎました。
あなたが
AV男優でない限り
きっとこうなるでしょう。
緊張している時は
必ず
「生理的ストレス反応」が
起きています。
逆に
過度なストレス反応が起きなければ
緊張しません。
つまり
あなたの緊張度合いは
心臓のドキドキや
手足の震えなど
どの程度に生理的ストレス反応が
出ているかで決まります。
それではなぜ
ストレス反応という
そんなメカニズムを
身につけてしまったのでしょうか?
ストレス反応は
動物が長い進化の過程で
身につけた生存のためのメカニズムです。
このメカニズムは約80年前に
ウォルター・キャノンという
学者が発見しました。
「闘うか逃げるか」の反応と
名付けました。
ストレスを感じて
心臓がドキドキするのは
「闘うか逃げるか」のために
必要なエネルギーを
確保するためです。
つまり
全身に、より多くの血と酸素を
送るためです。
これは人間だけでなく
魚類から鳥類など
全ての動物が
身につけているメカニズムです。
ほとんどの動物は
このストレス反応を生存のため
「闘うか逃げるか」の
エネルギーとして使います。
これにより、動物は
敵から襲われたときに
全力で逃走したり
その能力を最大限に
発揮することができるのです。
ここでもう一つの
あがり症の大きな原因
があります。
失敗や恐怖といった経験により
植え付けられてしまった
「トラウマ」です。
そして
「苦手意識」なども
一種のトラウマといえるでしょう。
トラウマを抱えている人は
人前に立っただけで
会議室や面接会場に入っただけで
手足が震えたり
心臓がドキドキしたり
汗をかいたり
口が渇いたり
といった
生理ストレス反応が起きて
不安になったり
怖くなったり
思考が働かなくなり
頭の中が真っ白になる
といった状況に
追い込まれます。
なぜ
発表もプレゼンもまだ、していないのに
先行して緊張するのでしょうか?
実は
無意識の内に
苦手意識やトラウマを
感じてしまっているのです。
この「無意識」こそが
トラウマの本質なのです。
無意識のトラウマの本質については
「パブロフの犬」が有名な話です。
ロシアの生理学者パブロフは
実験中
犬に餌を与える前に
鐘を鳴らしました。
これを繰り返すと
鐘を鳴らすだけで
犬は唾液をたらすようになりました。
これを「条件付け」と
呼ばれています。
反対に
餌を与えるのではなく
鐘を鳴らすと同時に
電気ショック与えることを続けると
鐘の音を聞くだけで
犬は怯えて震えるようになりました。
「鐘の音」という条件が
「恐怖」という反応に直結しました。
これも「条件付け」です。
正確には
「恐怖条件付け」
と呼びます。
あなたが特定の場面で
手足が震え、汗をかき
過度なストレス反応に陥ってしまうのは
この「恐怖条件付け」と呼ばれる
メカニズムが条件反射的に
発動しているからです。
あなたは
過去の失敗や恥ずかしい思いを
無意識のうちに
思い出してしまったのです。
思い出したくて
思い出すのではなくて
反射的に思い出されてしまうのです。
レモンや梅干しを想像すると
反射的に「唾」がでるのと同じです。
なので
考え方や気合で
何とかなるものではありません。
最後に
「火事場の馬鹿力」
という言葉があります。
大きなストレスがかかるような
極限状態の時に
通常発揮できない能力が
発揮できるようになります。
これは
生理ストレス反応として
ホルモンの一つの
「アドレナリン」が
分泌されるからです。
ストレスを感じると
犬や猫や
マヌルネコやアシェラやライコイなども
(猫の希少種)
そして人間も
このアドレナリンが分泌されます。
それが全身に作用して
いつも以上の力を出すことが
できるようになります。
このアドレナリンは
体にだけではなく
脳にも影響します。
つまり、ストレスは
身体機能だけでなく
人間の思考や感情といった
心的機能にも影響を
与えるのです。
しかも
アドレナリンの多量分泌は
あなたを過度の興奮状態に陥らせ
心臓がドキドキしたり
手汗をかいたり
といった生理反応を起こすだけでなく
不安や緊張を増幅させ
物事を
冷静に考えることを
できなくさせます。
つまり
良くも悪くも
感情を増幅してしまいます。
プレッシャーのかかる場面で
「ここでミスったら、恥ずかしい」
「失敗したら、人生が詰んでしまう」
といったような
普段では考えないような
ネガチィブ思考に
陥ってしまうことがあるのも
アドレナリンが多量に分泌
されていることが関係しています。
ここまで
説明したように
事実として
過度なストレス反応により
アドレナリンを含む生理反応が起こります。
自身の中で起きている現象を
理解して
会場や壇上に上がる前に
身体的な異常を確認してみましょう。
そして
アドレナリンは
良い方へ作用すると
いつも以上に集中出来たり
最大限のチカラを発揮する事が出来ます。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
スピーチなどでは
喋る側も聞く側にも
ある程度の緊張は必要です。
聞く側に緊張が無いと
集中して聞いてもらえません。
冒頭に
「気楽に聞いてください」は
「聞かないで下さい」と
同じです。